シンガーソングライターの宇多田ヒカルが1月3日放送の「マツコの知らない世界SP」(TBS系)にゲスト出演し、デビュー曲「Automatic」のPV撮影における舞台裏を明かしている。
11年ぶりにバラエティ番組への出演を果たしたという宇多田は、1998年にダブルミリオンを達成した衝撃のデビュー曲「Automatic」の大ヒットで一気にブレイクして名声を得たが、とりわけ同曲のPV内でソファーから立ち上がることなく中腰の姿勢のまま歌い続ける演出は印象的で、その独特な世界観やオーラも含めて宇多田の代名詞にもなっていた。
そんな異彩を放つPVについて、MCのマツコ・デラックスは「画期的な映像だった」と話し、「だって、あれ(ソファーから)立ち上がらないのよ」と感銘を受けたことを明かすと、宇多田は「諸説あるんですが、私の記憶ではセットの幅があまり無くて、カメラを引くと横幅が見切れてしまって。なので立ち上がらなくて、でも座ったままなのも…って思って、動きを出さなきゃって思ったんです」と告白。セットのサイズが原因で完全に立ち上がることができなかったと説明した。
「Automaticがリリースされた当時から宇多田の独特な“中腰”のPVについては“多分天井が低いんだろ”“腰痛めてるの?”といった嘲笑に近い声もありましたが、それほどまでに彼女の存在感や世界観が他とは一線を画すオーラがあったということでしょう。やはりニューヨークに生まれ、アメリカの文化を若くから吸収したことが大きかったのか、そのグルーヴは日本人が真似できない唯一無二の領域にあり、宇多田ヒカルの楽曲を他の歌手がカバーしてもそのほとんどは“惨敗”してしまいます。今回の番組出演を機に、ネットでも宇多田の功績について『JPOPを変えたのは間違いなく宇多田。彼女のデビューは衝撃的だった』『宇多田ヒカルは天才的アーティスト』『この人は本当の天才』と絶賛する声が多く、『あのPVは未だに忘れられない』というコメントもあります。また滅多にバラエティ番組に出演してこなかったという点も、彼女への関心を助長させる要素になっていたでしょう」(テレビ誌ライター)
“中腰”のPVだけでなく、その一挙手一投足全てに注目が集まっていた宇多田。やはり、15歳にしてダブルミリオンを売り上げたこの歌姫は、只者ではなかったということなのかもしれない。
(木村慎吾)