歌舞伎俳優の市川猿之助が5月18日、両親と共に救急搬送された。猿之助本人は命に別条がないものの、両親は搬送後に死亡が確認されている。また、遺書らしきものが残っていたと伝えられている。
報道によると猿之助は自死を図ったと見られているという。両親についてはどういう状況で亡くなったのか、18日午後の時点で詳しいことは分かっていない。
今回の事件に関して軽々しく論じることはできないものの、両親が亡くなるという重大事に、猿之助の今後がどうなるものかとファンは案ずるよりほかないだろう。
その一方で一般論として、成人男性が両親を道連れに自死しようとした場合、どんなことになるのだろうか。
「親に手をかけることは尊属殺人と呼ばれ、かつては通常の殺人罪より重い刑罰が定められていました。この規定は憲法違反だとして1995年に廃止されたものの、二人の成人を殺めたのであれば、その責任は相当厳しく問われることになるでしょう」(週刊誌記者)
親を殺めたケースでは、どのような判決が下されるのか。これまでの例を見ると懲役8年や10年といった重い刑になることがある一方で、なかには懲役3年・執行猶予5年といった例もあるようだ。
本来、殺人罪の法定刑は懲役5年以上であり、「懲役3年以下」が条件の執行猶予は付かないはず。ただ事情を勘案し、懲役5年未満の判決が下されること自体は珍しくないという。
「実刑と執行猶予の分かれ目はケースバイケースであり、一概に基準を挙げることはできません。ただ執行猶予では本人に『酌むべき事情』がある場合が多く、事件に至った背景が重要となってきます」(前出・週刊誌記者)
果たして猿之助の一件では何があったのか、そしてどんな事情を抱えていたのか。ともあれ今は亡くなった父親の四代目市川段四郎さんと母親・延子さんのご冥福を祈るばかりだ。