甘いものは好きだけど、美味しい=ハイカロリーですよね、ほんと。濃厚で美味しいスイーツはやっぱりハイカロリーと分かっているんです。分かっているからこそ、これに飛びついたんです。「芋圓蒟蒻 QQ球」298円。
袋には、「こんにゃく、もち粉、さつまいも、栗でつくった新食感の芋圓を、甘さをひかえたシロップに漬け込みました」とあります。パッケージには「弾力があって柔らかな食感の団子です。冷やしてタピオカ、豆花、フルーツなどと盛り付けてアジアンスイーツとして。温めたあんこと混ぜてぜんざい風に」などと書かれています。こんにゃく素材のスイーツなら絶対ローカロリー。あんこもタピオカもうちにある~!
家に帰り、とりあえずそのままだとどんな味なのか確かめようと思って一口食べたところ……ショックなことに、それは“うっすら甘い玉こんにゃく”の味。もち粉とか栗の要素、どこいった? 微妙に甘い玉こんにゃく。プリッと食感も、香りも、玉こんにゃく。
いや「これはそのままだからでは?」と思い、まずはきな粉と黒蜜をかけてみました。それでも玉こんにゃくの甘味処風。今度はあんこをかけてみました。結果はあんこと玉こんにゃく。仲良くはありません。パッケージに書かれたお勧めレシピ、紅茶甘露煮を作ってみたところ、今度は甘い紅茶に浸る玉こんにゃく。何をしても玉こんにゃく。本当にこれ芋圓? 台湾スイーツなの?
改めて芋圓について検索したところ、本来は里芋から作る台湾の伝統的なお菓子とのこと。里芋の他にもさつまいもとかじゃがいもの粉で作るお菓子なんです。つまり、本場では芋由来のモチモチスイーツを、芋は芋でもこんにゃく芋にしたら“こんにゃくの要素が強く出ちゃっている”という状態になっているんです。
何をやってもこんにゃく感が溢れるあまり、5~6個挑戦して挫折。しかし、袋は1kg入り。「まだまだいっぱいあるよ玉こんにゃく!」と思い、ここからはスイーツではなく、玉こんにゃくとして味わうことに方針転換しました。
まずはこのうっすら甘い汁を抜くべく一晩水に浸けた後、2~3回煮こぼして茶色い汁が抜けて透明な色になったところで、厚揚げや干し椎茸、にんじんなどと煮てみました。普段なら煮物には砂糖とかみりんとか入れるのかもしれないけど、すでに甘味は入っているので出汁と醤油だけで。
結果、美味しい煮物が出来上がりました。玉こんにゃくと思えば、そして普通に煮物となったら美味しい。メーカー、そして業スーの意図したものとは全く違うものになっているのですが、こんにゃく感が強過ぎる結果のスイーツ→煮物です。しっかりおかずになってくれて本当によかった。
ということで結論。台湾の芋圓とは食感も素材も違う、こんにゃく感あふれる新食感の芋圓は、きな粉や黒蜜やあんこより、出汁醤油で煮ると美味い! そして、本場台湾の味を食べたいときは、こんにゃく芋以外の原材料で作られたものを探すことをお勧めします。
(ロドリゴいしざわ)