元横綱の貴乃花親方が、自らが率いる貴乃花一門から「貴乃花の名前を返上したい」と願い出て、一門内の親方衆に了承されたことが4月19日にわかった。一門解散には至らないものの、近いうちに名称が変更される予定だという
親方衆の階級で最も低い「年寄」に降格し「一兵卒からやり直す」と話す貴乃花親方だが、そんなさなかの4月17日、貴乃花部屋の公式HPでこんなメッセージを綴っている。
「大鷹は羽ばたく翼を大きく広げて空を飛び続けること。飛び立つ前に飛び立つ記憶を鮮明にし、思いをはせること。永遠の風を吹かせようと、貴乃花部屋は奮闘いたします」
この意味深な文章が、ある動画作品を彷彿させると話題になっている。
「鷹の選択」という動画をご存知だろうか? 2012年にネット上にアップされ、これまでに数十万回も再生され続けている作品だ。
その内容はあくまでもフィクションとして、鷹の一生を論じている。最高70年生きられると言われている鷹は、長生きするために約40年が過ぎた頃、重要な決断をしなければならない。その年齢になると、くちばしが長く曲がり体を傷つけ、爪が弱くなり獲物がうまく獲れなくなる。また羽も重くなり、徐々に飛べなくなるそうだ。
ここで鷹は、2つの選択を迫られる。死期を待つか、苦痛を伴う再生を図るかだ。後者を選んだ鷹は山の頂上に行き巣を作り、そこでまずくちばしを岩で叩き割る。すると新たなくちばしが生えてくる。そのくちばしで爪を抜き取り、新しい爪が生えてくると、今度は羽を一本ずつ抜く。こうして半年が過ぎ、新しい羽が生えてきた鷹は、新しい姿に変わる……という感動的な話になっている。
貴乃花親方は今、自らくちばしを折り、爪を抜き、羽をむしって、永遠の風を吹かせるために、再生の時期と捉えているのかもしれない。