NHKドラマ「お母さん、娘をやめていいですか?」とテレビ朝日系の木曜ドラマ「就活家族」の2つのホームドラマの設定や展開がそっくりだと、ドラマファンの間で話題になっている。
前者は「毒母」と娘の関係を、後者は全員無職になった家族がもがく姿を描き、一見まったく別物のようだが、その詳細が驚くほどシンクロしているのだ。テレビ誌ライターが話す。
「それは、両作が新築一戸建ての“夢のマイホーム”を建て、入居直前だという点です。どちらも建売ではなく、家族の希望がこもった注文住宅。さらに、そのローンを背負うはずの父親が、一方は会社でリストラ候補になり耐えられず退職、もう一方はセクシャルハラスメントの濡れ衣を着せられ退職と、置かれた状況まで酷似しているのです」
さらに、マイホームをめぐる共通点はそれだけではないという。
「どちらのドラマの家庭でも子どもたちは成人しているのに、当然のように新居でも子どもが同居し続ける前提で家を設計していました。しかし、ここにきて『お母さん~』では波瑠演じる娘・美月が新居には住まないと宣言したり、『就活家族』でも工藤阿須加演じる息子・光が地方勤務の会社に内々定が出たり、前田敦子演じる娘の栞は恋人の母親に介護が必要で、結婚するなら家を出ざるを得ないことも判明。“仕事は家から通えるだろう。たとえ結婚したとしても、同居してくれる相手を選ぶだろう”と、子どもたちに対してタカをくくっていた親たちの思いが裏目に出そうな展開なのも同じです」(前出・テレビ誌ライター)
しかも前回の放送では、どちらの家庭の父親も、かつての先輩や会社の社長から「海外で一旗揚げないか」と持ちかけられるところで終わっている。
偶然の一致とはいえ、あまりにもソックリすぎるこれら設定と展開に、「ドラマ業界のネタ切れ」を指摘する者もいるようだ。
難題を抱える両ドラマの家族が、今後どう決断していくのか‥‥。まさか「結末も同じ」なんてことにならないことを願いたい。
(稲垣まゆう)