バラエティから情報番組までテレビを席巻する、お笑い芸人のカズレーザー。人気の秘密は卓越したコメント力だ。
4月7日放送の情報番組「とくダネ!」(フジテレビ系)では、新型コロナウイルス問題に一石を投じた。番組では10代から70代を対象とした「陽性と診断されたら過去2週間の行動を全て話せるか」というアンケート結果を発表。90%が「はい」と答え、残りの10%が「いいえ」と回答した。続けて「説明が面倒」など、「いいえ」と答えた10代と20代の女性と30代男性の意見を紹介。無症状の若者がウイルスを拡散させるという論調になったのだが、カズレーザーは「いいえ」と回答した10%は全年代におり、若者の声だけを番組が抽出したことを暗に指摘、「どの世代でも人混みに集まる人はいる」「若者だけを指摘してもあまり意味はない」と番組のミスリードに苦言を呈した。
同番組の2月25日の放送回では、カズレーザーはウイットに富んだコメントを披露した。昨年10月、お笑いコンビ・チュートリアルの徳井義実に総額1億2000万円の申告漏れが発覚し、芸能活動を休止していたが、所属事務所の吉本興業は2月24日から活動を再開すると発表。これを受けてカズレーザーは「もう少しお休みして、その間に税理士の資格を取って帰ってきたらよかった」「『次はもっと上手くやります』とか、かましてほしかったです」と、ブラックユーモアで私見を述べた。
「3月3日放送のバラエティ番組『お願いランキング』(テレビ朝日系)では、勉強に対する考え方で心に刺さる言葉を残しました。スタジオに現役高校生を招き、大学受験の話題になったときのこと。勉強の必要性について、カズレーザーは『受験でしか勉強をしないのであれば、人生において勉強は必要ないかもしれない』『だけど、勉強しないと就けない仕事もいっぱいある』『勉強ができたほうが(将来の)選択肢は増える』と持論を展開し、高校生たちも聞き入っていました。空気に流されず事実に基づいてサラリと核心を突く様は、まるで“お笑い界のFACT FULLNESS”。本職のコメンテーターを上回るコメント力を持っているので、視聴率も稼げるはず。今後、カズレーザーの需要はますます増えていくでしょう」(テレビ誌ライター)
クイズやお笑いだけでなく、コメンテーターとしても目が離せない。
(石田英明)