よもやNHKは一部のクレームに屈したのか。そんな疑念を抱く視聴者もいたようだ。
7月5日に再放送されたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」第81回では、番組の最後に「この番組は2013年7月に放送したものです」とのテロップを表示。その真意を巡ってNHKを批判する声があがっているという。
本作では前週の7月1日に放送された第78回から、無頼鮨の大将としてピエール瀧が出演。第81回ではヒロインのアキ(能年玲奈)に対して、「この間の説教が効いたみたいだよ」と話しかける場面もあった。
その瀧は2019年に薬物関連の事件で逮捕され、同年6月に懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決を受けることに。2022年6月には執行猶予が満了しており、法律上は刑の言い渡しが効力を失っていた。
世間では有罪判決を受けた俳優に対して厳しい視線が注がれがちだが、瀧はすでに執行猶予を満了していることから、今回の「あまちゃん」に関しても再放送への障害がなくなったと評価されていた。ところが今回、あえて「この番組は2013年7月に放送したものです」とのテロップを表示したことに、疑念の声があがったのである。
「このテロップはすなわち、出演しているのは事件を起こす前の瀧であると明示することが目的だと考える視聴者が続出。《誰が抗議の電話を入れたんだ?》《NHKがクレームに屈したか》といった批判の声があがっているのです」(テレビ誌ライター)
しかし、本当にそういう意味のテロップであれば、いささか説明不足なのも否めないところ。そもそも出演者の経歴を問題にしているのであれば、放送時期がいつだったのかを明示したところで対策にはならなそうなものだ。
そうなると今回のテロップには別の狙いがあったのではないか。そう考える視聴者から、ひとつの答えが提示されているという。
「その答えとは、テロップ掲出時に映っていた地名です。『あまちゃん』では番組の最後に岩手県と縁のある人物の写真を紹介しており、今回は岩手県滝沢村にあるオートバイ店で撮影された写真が映し出されました。その滝沢村では2014年1月1日付で市制が施行され、滝沢市に昇格。そのため『2013年7月当時はまだ滝沢村だったんですよ』ということを明示する目的のテロップだったのではないでしょうか」(前出・テレビ誌ライター)
つまりテロップの内容とピエール瀧は、まったくの無関係だったことになる。どうやら今回の勘違いは、視聴者の気の回し過ぎだったようだ。