自分の両親がそろそろ65歳を超えつつあり、認知症の不安が高まっていませんか?
三井住友信託銀行が行った「家族にやさしい安心の財産管理セミナー」によれば、長寿化にともなって認知症患者は急増しており、80歳を超えると認知症の発症率は急上昇、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるとの調査結果もあるとか。もはや、認知症は誰にでも起こりえる身近な問題になっています。
将来、親や自分が認知症になったときに、お金について困ることの一つが「銀行口座の凍結」です。例えば、親が認知症になった場合、その生活費や施設に入居するための費用を認知症本人である親名義の預金口座から引き出そうとしても、銀行は「本人の意思確認ができない」として支払いに応じられないのです。
それどころか、認知症本人を巡る意識の違いから引き起こされる親族不和や、キャッシュカードの紛失時に再発行が不可能になってしまうなど、厄介な実例も実際にあるそう。認知症になってしまった後ではもう手を打つことができない事実は、誰もが認識しておくべきことのようですね。
これらのトラブルを回避するための方法として、判断能力の不十分な人を保護して本人の権利を守ることを法律的に支援する国の『成年後見制度』、家族・親族が受託者となって財産管理を行う『民事信託(家族信託)』、三井住友信託銀行の「人生100年応援信託〈100年パスポート〉」やみずほ信託銀行の「認知症サポート信託」などの銀行が提供する預貯金の資金凍結を回避する高齢者向けに特化した『信託商品』など、ニーズに合わせた財産管理術があります。
いずれの方法も、自分自身もしくは家族が健康で認知能力がしっかりしているときでないと準備できないことには注意が必要です。将来のお金のトラブルの他、親族不和を避けるためにも、他人事とは思わずに自ら積極的に知識を得て、人生100年時代に備えたいものです。