肉の冷凍は長期間の保存に便利ですが、霜がついて味が落ちる「冷凍焼け」を起こしやすくなります。そこで、冷凍保存をしても肉を美味しく楽しむことができる、冷凍・解凍のコツを紹介しましょう。ぜひ、試してみてくださいね。
冷凍庫内は、通常マイナス18度以下の乾燥した状態を維持しています。そのため、冷凍庫に保管している食材に含まれる水分は徐々に気化し、空気中に抜けていきます。肉の場合は、気化した水分が温度変化によって再び凍結して霜になり、「冷凍焼け」といわれる状態に。こうなると、食感がパサパサして味が落ち、色が悪くなる、臭いが出るなど、せっかくの美味しさが失われやすくなるのです。肉の冷凍焼けを防ぐには、次の2つの工夫が大切です。
■肉に下味をつけてから冷凍する
冷凍焼けを防ぐために有効なのが、肉に下味をつけてから冷凍する方法です。下味は焼肉のたれのような、ごま油、醤油・みりん・酒などを使った水分の多い“たれ”を使用しましょう。たれがお肉をコーティングし、水分の気化を防いでくれるため、冷凍時の乾燥や冷凍焼けによる味や食感の変化を抑えやすくするのです。
■急速冷凍&ゆっくり解凍が基本
肉を冷凍する際はできるだけ短時間で温度を下げることで、組織や細胞が破壊されにくくなり、味の劣化を防ぐこともできます。冷却効率を上げるためにできる工夫は、「食材をできるだけ平らな状態にならす(たくさん肉が重ならないようにする)」ことと、「熱伝導のよいアルミ製のトレーやバット、なければアルミホイルの上に食材を置いて冷凍する」ことです。まとめ買いした肉は、小分けして下味をつけて冷凍保存するとよいでしょう。
また、冷凍肉を解凍する際は、急激に温度を上げると凍結していた水分がうまみ成分と一緒に流れてしまうため、暖かい室内に放置するのではなく、徐々に温度を上げるようにします。「冷凍庫から冷蔵庫に移して解凍するまで待つ」、「流水や氷水にさらして解凍する」方法がオススメですよ。
(Nao Kiyota)